跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/08/02 BGM: The Police - Every Little Thing She Does Is Magic

今日は休みだった。朝、ZOOMを立ち上げそして英会話関係のミーティングに参加する。今回はいつもと趣向が違っていた。ホストの先生が誕生日を迎えるということで、事前にメンバーによってインドのお菓子をプレゼントとして届けるというサプライズ企画が進んでいたのだった。先生が自分のところに届いたそのプレゼントを見せられる。そしてメンバーの1人がメッセージカードをネットを介して見せる(実を言うとぼくもこのメッセージカードに四行詩を寄せていた)。先生がほんとうに深く喜んでおられたのがぼく自身も嬉しかった。そして、こうした機会(このミーティングやこうしたサプライズ企画)に参加させてもらえたことを改めてありがたいと思った。今回のレッスンは「The point is that(要点は〇〇です)」というフレーズを使って文を作るというもので、インドから来られた日本語学習者の方が作られた日本語の文をきっかけに「日本語と英語の関係」「英語から自然な日本語を組み立てるにはどうしたらいいか」について話が盛り上がる。ぼく自身が書いている詩や日記についても話が及び、実に深いレッスンとなったと思った。これで参加し始めて3ヶ月ぐらいになるのではないだろうか。参加者の方の優しさ・暖かさが実に印象的なミーティングというかサロンだと思う。

昼、図書館に行く。そして松浦寿輝の本を何冊か借りる。そしてその中から『黄昏客思』を選んで読み始める。ふと、「黄昏」ということで言えば自分もたぶん人生の黄昏時を生きているのかなと思い始める。いや、これから自分にどんなことが起こるのかまったくわからないのだけれど、それでも簡明な事実として自分はこれまで半世紀近い人生を生きてしまったわけだ……「生きること」がただ「若さを失うこと」「可能性を失うこと」だと思いこんでいた時期を思い出す。いろんなことができなくなっていく……そう思うとやるせなくなって、それで無力・無能・不遇を嘆き酒に溺れた。あの時期、自分は「腐って」いたなと思う。そしてアホみたいな話だと思うけれど、今は(さすがに体力・気力は昔ほどではないにせよ)「若いころにできなかったことをやりたい」と思うようになった。暗中模索で生きていろんなことに手を伸ばしたあの時代の試行錯誤があり、恥をかいた経験があって今がある。生きれば生きるほど自分の人生は無駄・余剰がなくなってきたというか、シンプルになってきたなとも思い始められる。その自分のシンプルな人生を愛する。ちょうどポリスの演奏のように簡素な、だが確かな旨味を感じさせるものになってきた……のだとしたらいいなと思う(さすがに自分ではこればかりはわからない)。

その後3時まで時間があったので、イオンのフードコートで詩を書く。朝のミーティングで「どうやって詩を書いておられるんですか」という話になったのだけれど、これに関しては「雲をつかむ」ような感じで自分のまわりに漂っているものを捕まえているとしか言いようがない。強いて言えばまず最初の1行を考えて、そこからおしりの部分の言葉について脚韻をどう踏むか考える。そしてソネット形式に則って組み立て始めるのだった。3時から、ふたたびミーティングに参加する。そこで感情についてディスカッションを楽しむ。どうやって感情を管理/コントロールしているかについて。そこで「まいっか」と考えて水に流す発想が大事という話になった。くよくよ考えず、あっさり「流す」こと。確かにそうした「流す」決断も寛大さや強さの現れかなと思わされる。ぼくも自分の意見を話す。他人がぼくのことを嫌っていると思い悩んだ時期があったけれど、他人は天候のようなものと捉えるようになったということを話した。天候は確かに生活に影響する。だが、雨が降れば雨具を用意してあとは自分の生活を粛々と生きる。それでいいのではないかと思う……そこから「他人は変えられない」「自分は変えられる」という深い話になった。

夜、断酒会に行く。そこで木曜日に両親と会った時のことを話す。自分の夢を語ったこと……もうぼくも50代になろうとしている。40歳のあの日(4月3日)、断酒を決めた日に「もしもう一度酒に手を付けたら、自分はどうなるんだろう」と迷ったことを思い出した。「自分はまだ何もしていない」「自分は『本気になって』何かを試したことがない」とさえ思った。小説家になりたいと当時は思っていたけれど、ただの1編も書かず「逃げてばかり」だった……それがあって断酒を始めて今年で8年。ただ、その後に始めた小説執筆はプロの作家の方に「もう向いてないからやめなさい」とはっきり引導を渡されたっけ。そしてそれは正しかったのだ……「思い通りにならない」「ままならない」のが世の中というもの。それから発達障害を考える自助グループに参加するようになって、いろいろあって英語を学び直し日記を書き始め、そして今年に入って詩を書き始める。20代・30代ならたぶん「最果タヒのようなポップスター的な詩人になりたい」「詩で天下を取りたい」と思ったかもしれないけれど今はそんなことを考えても虚しくなるばかりなので、粛々と自分の人生の「黄昏」を生きることにしたいと思うのだった。独身・気ままに生きて、詩作・読書に明け暮れて日々が過ぎていく。栄光・栄華とは無関係なヤング・マーブル・ジャイアンツの音楽のようなとっても簡素・シンプルな人生だけど……「まいっか」!