跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/04/16 BGM: Sting - Fields Of Gold

今日は休みだった。朝、いつものようにこの日記を書く。ある方から「もっと(この日記を)公にすべき」と言われる。もちろんありがたいことだ。だが私は脳天気なところがあって、仮にほんとうに自分の書くものがそんなにいいものだとしたらそれは自然と人に伝わると信じているのだった(もちろん「仮に」である)。宣伝めいたことをしなくても……あるいはこれは昔私がさんざん人に自分の書くものをわからせようとしてしくじった経験があるからかもしれない(それで友だちを失いさえした)。無理強いして人に「なぜわからないんだ」と納得させるより、そうした人たちに自然に読んでもらいたい、楽しんでもらいたい……そして少しずつ、1人ずつ読者を増やしたいと願っている。たぶん私は大成しないだろう。だが、それはそれでいい。私は村上春樹ではありえないのだから。結局名もなきブロガーで終わるのかもしれないが、それもまた人生だ。

朝、ZOOMを使ってミーティングをする。月一で行われている発達障害を考えるミーティングだ。今回はいよいよ私たちのこのミーティングをベースにしたサイト立ち上げが実現しようとしていると知らされる。憚りながら私もそのサイトの寄稿者の1人に指名されている。サイトが実現したらいったい何を寄稿しようかとあれこれ考えてしまう。この日記を日本語・英語で載せていただこうか……ミーティング仲間の1人がYouTubeで積極的に公開している動画も(恥ずかしながら私のチェックは及んでいないのだけれど)そのサイトで紹介されるだろう。そう考えると夢は膨らんでいく。私の書評を復活させようか、Discordのサーバのリンクを貼ろうか、他にもやりたいことはあれこれ……いけない! 私だけが先走ってしまった。あまりにも妄想・夢想が膨らみ他人を置き去りにして「ワンマン」になってしまうのが私の悪いクセなのだった。

昼になり、昼寝をした後やっとこさ村上春樹『街とその不確かな壁』を読み終える。思い切りネタを割ってしまうが、この作品は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の設定を踏襲したものだ。だが、あの作品で主人公だけが持っていた「街」、つまり個人的なものとして完結していた「街」はこの作品において他者ともシェアできる存在として現れる。仮にこの「街」を「無意識」と見なすと、これはそのまま「集合的無意識」のメタファーとして機能することになる……が、ここまで考えてその先に進めない。私はユング河合隼雄も知らないからだ。情けない……あるいは他者と現実を共有しているという自覚はそのまま「この現実は1つなのか?」という問い(ポスト・トランプ時代のアクチュアルな問いだ)にも至りうる。この作品はYouTubeTikTokも出てこないオールドファッションな設定で留まっているが、そうしたコアの部分では「モダン」というか「今」な作品だなと感じられた。春樹は確実に自分を刷新している。

夜、別のZOOMでのミーティングで英語のレッスンを行う。海外のコメディを視聴することを通して英語を学ぶというのが骨子だ。さすがに(紋切り型の言い回しになるが)「生きた英語」に触れられたことはありがたいが「早口」にすぎて大づかみにしか理解できず、自分の限界を思い知る。だがミーティングの雰囲気は笑いが絶えないもので、「居心地の良い」「コージー」なものに感じられた。ああ、かつては「自分の英語はダメだ」と思い込んでいたものだったが、その英語が私をこうして助けてくれているのをひしひしと感じて「芸は身を助く」だと思う。私はしょせん「無芸無能」だが、ただ語学を楽しめる体質・才能を有しているみたいでそれが私の人生を彩っている……それはそうと、Spotifyで『街とその不確かな壁』のためのプレイリストを「試案」として作ってみた。思いっきり「偏見」「バイアス」に満ちた歪んだリストになったが、まあ気晴らしの一助として楽しんで下さい。

A list for Haruki Murakami's "The Town and Its Uncertain Walls" - playlist by disco cat | Spotify