跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/11/13

「40代になっていろいろエネルギーが減ってきた」というアルファブロガーの述懐を読んだ。私のことを考えた。私はカフカのように40で死のうと思って生きていたので、ずいぶん酒に溺れて傍迷惑な生き方をしてきた。その40の歳に酒を止めて、シラフで人生を全うする生き方に切り替えた。それと同時に映画を観始め、発達障害を考えるミーティングにも参加するようになった。ある意味、私の今の人生は40になってから始まったようなものである。いやもちろん、生き方なんて「人それぞれ」でナンバーガールのフロントマン・向井秀徳が歌うように「正解はない」わけだけれど、私の人生においてはエネルギーは質を変えこそすれ平常に保たれているようだ。

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今日は休みだった。朝、木曜日のオンラインミーティングで発表するためにブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」について調べる。そして私なりに歌詞を訳すことも試みた。タイトルを虚心に訳すなら「おれはアメリカに生まれた」となるが、むしろ「アメリカがおれを生んだ」と解釈してもバチは当たらないのではないかと思いそう訳してみた。あまりこの歌について書くとネタを割ってしまうことになるが、村上春樹だったかが言った「ロック史上最も誤解された曲」という形容はまったくその通りだなと思う。なのでその形容をタイトルに頂戴してしまった。

その後昼食を摂り昼寝をした後、ネットフリックスでアンドリュー・ドミニク『ブロンド』を観る。実はこの映画、ロッテントマトやFilmarksで相当に評判が悪いようだ。それもむべなるかなと思った。端的に長過ぎる。そしてその長い上映時間で延々と主人公が体感した悪夢的な世界を鑑賞させられる。カタルシスを感じる瞬間は皆無と言ってもいい。手ブレも生々しいカメラワークやこうした悪夢的な主観の描写にラース・フォン・トリアーに似たものを感じた。だが、トリアーの映画はむしろ評判がいいので私の当てずっぽうは間違っているのかもしれない。いや、間違っていて何らおかしくはないのだが。

夜、ブルース・スプリングスティーン&トム・ジニー『ウエスタン・スターズ』を観る。「ボス」もすでに70代。なのに旺盛に活動を続けるそのストイシズムには脱帽する他ない。この映画ではまろやかで芳醇な彼の音楽を楽しむことができ、そして彼の人生哲学に肉薄することもできる。結局「芯」がしっかりしている人が強いのだな、と思った(まあ「わかりきった」ことではあるのだけれど)。私も読んだり観たりといったことをこの日記の中軸に据えて、もっと「外側」に目を向けたことを書いていく必要があるのかなあと反省する。これから「少しだけやり方を変えてみるのさ」(佐野元春)という心意気で変わっていければと思う。