跳舞猫日録

Life goes on brah!

2024/06/27 BGM: Tears For Fears - Shout

今朝、手持ち無沙汰なまま特にプランもなくイオンに行く。そこで母と今度来るぼく自身の誕生日の話をしたりしたあと、ふとむなしさというかバカバカしさに襲われる。それでなにも手につかず生きる気力さえ失せてしまったのだけれど、そこはそれ、英語の練習を兼ねてポケットからメモパッドを取り出し英語でその気分について書いていく。いったいぜんたい自分がなにに悩んでいるのか、それが解決できるものなのかできっこないものなのか、自分でもわけがわからない悩みなのかどうなのか……そうしてともかくも書きなぐると自分がどんなことに直面すべきか見えてくる。ひどく抽象的な話になるが、そうして書くとぼくが悩んでいることが自分の外側に吐き出されてしまいそして「物体」「結晶」となって目に見えるようになって、整理できたとスッキリした(これをこそ「可視化」「見える化」と呼ぶのかもしれない)。ああ、書くことはたしかにポジティブな心持ちをもたらすんだなと腑に落ちた。

でも、いったいこんなふうに考えがぐるぐる回ってしまいそこから出られなくなって、モヤモヤしてしまった時は昔のぼくだったらどうしていただろう。そんな時は真っ先に「ストレス解消」と称して酒を買い込み呑んだくれてしまっていたなと思い出す。そうすることによって「憂さ晴らし」を行い現実から逃げたのだった……それはでももちろん「一時しのぎ」な解決法でしかない。だから解決にはつながらず、むしろ「つけ」を背負う羽目になったことを思い出す。

その後、ふとスマートフォンでネットをうろうろしているとフランスの作家ジャン・ジュネの面白いアフォリズムを見つけた。「美というものがたった1つの傷以外から生まれることはない」から始まる力強い名言だ。とても感銘を受けたので、それをぼくの手で日本語に訳してみたくなりやってみた(でもフェアを期するために書くと、フランス語はぜんぜんわからないのだった。これはフランス語からあらかじめ英訳された名言をぼくなりにつたないやり方で和訳した「重訳」である)。思えばぼく自身もそんな感じで、心の中に負った傷(トラウマ)のせいでいろんなことを学んだなと思い、ジュネの仕事に興味を持った(『花のノートルダム』『薔薇の奇蹟』は持っているが積読なので、またページを開いてみたい)。その後、イオンにある未来屋書店ブレイディみかこの新刊『転がる珠玉のように』を買い求めた。

夜になり、Zoomのミーティングに参加する。友だち相手にぼくがプレゼンターとなってプレゼンテーションを行う。どんなふうにコミュニケーションの作法を学んだかについてだ。10代の頃、生徒たちの間でまったくの「奇人」「キモオタ」だったぼくはそれこそ死んだふりをして教室の中で置き物のように静かに本ばかり読んでいた。もちろんそれは昔の話。いま今回は参加者の方が活発に質問されていきおいぼくも自分のことをたくさん話すことができた。実に楽しいひと時だった。ありがとうございました。

"Beauty has no other origin than the singular wound, different in every case, hidden or visible, which each man bears within himself, which he preserves, and into which he withdraws when he would quit the world for a temporary but authentic solitude" - Jean Genet

「美というものがたった1つの傷以外から生まれることはない。それは人によって違うものだけれど、見える傷であれ見えない傷であれそいつがそいつ自身の内でこらえていて、大事に保っていて、いっときではあっても世界から離れてほんとうの意味での孤独に引きこもるために入り込んでいくような、そんな傷だ」ジャン・ジュネ(拙訳)