跳舞猫日録

Life goes on brah!

2024/01/31 BGM: Sting - Let Your Soul Be Your Pilot

今日、ある友だちがぼくにこう尋ねてきた。「どうやったらそんなに面白い本を見つけられるんですか」と。これは面白い質問だと思う。そして、答えるにも骨が折れる繊細な問いだとも。彼女がこの質問をしてきたのはぼくの短文での燃え殻という作家のデビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』に関するコメントを読んでのことで(実にすばらしい、「刺さる」というか「グッと来る」作品だった)、この本に関して言えばネットフリックスの映画になったのを観たことでまずぼくはこの本について知り、そこから読み始めたのだった。こんな感じで、ぼくはさまざまな本をまずネットフリックスや読書メーター、X(Twitter)やFacebook、Discordなどで知って手に取ることが多い。9割方そうとすら言えるかもしれない。あとは図書館・書店で偶然見かけるとかそんな感じだ。

できるだけ正直に、ぼくなりに誠実にこの問いについて答えようとするならぼくはどんなふうにしてこの人生を生きているかを話すしかない(ぼくが言っているのはそう、ぼくのまったくの「ライフスタイル」そのものだ。どんな本を読んだかとかどんなポータルサイトを使っているかといった限定された話題にとどまらない、「生活そのもの」についてというか)。つけ加えて、ぼくは彼女に(いや、あなたにも)こんな話をしないといけない――「それは運という要素から生まれる問題だ」という。少なくともぼくにとっては、それは「どんなふうにして幽霊を見てしまったか」とか「どんな空飛ぶ円盤(俗に言う『UFO』)を見たか」というのと似ている。言い換えれば、それはどうしたってオカルト的な話にならざるをえない(ちなみにぼくは幽霊も『UFO』も見たことがまったく記憶にない)。

少なくとも本に限って言えば、ぼくは自分の持つ運を信頼して生きている。この日記でも書きつづってきたけれど、いつも運に導かれてぼくは自分の人生やこの性格を変え、支配さえしてきた本とめぐり会ってきた。スティーブン・キングを読み村上春樹を読み、ポール・オースター柴田元幸金井美恵子といった作家とめぐり逢い……別の言い方をするなら、ぼくはライフプランを立てて読書をしたことなんてこれっぽっちもない(『ノルウェイの森』の登場人物よろしく「もうこれからはずっとディケンズを読み込もう」なんて考えたりしたことなんてない)。いきあたりばったり、実に無軌道に生きてきた。

無計画。ただ、本能のささやきに身を任せる。いや、はたから見れば「アホでマヌケな読者」ということになるかもしれない(マイケル・ムーアの本みたいだけど)。それはまあ甘んじて受け止める。そして、人生を振り返る。この勘をずっと信じて生きてきた――アメリカ文学を学び、フィッシュマンズを聴いて彼らの曲を生きるよすがにしたり、30代の時にグループホームの関係者に初めて電話をかけてそこからつながりを得たり、そうやって人生を生きてきた。力強い声がぼくの中で常に語りかける。その声は今後ぼくをどう導くのだろう。燃え殻の本が語るように、それはある意味ぼくにとっての「希望」なんだろうか……そうだといいなと思う。というか、きっとそうだ。