跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/04/12 BGM: Pulp - Disco 2000

とあるブログ記事に触発されて、私自身を作り上げた100冊の本について考えてみた。どうせなら起源を遡って自分がほんとうに読書の楽しみを知った頃まで帰ってみたいと思い……そうするとスティーヴン・キングスタンド・バイ・ミー』を読み耽った十代の頃を思い出すこととなった。あるいは村上春樹ノルウェイの森』を繰り返し読んだ頃のことも。結局3時間ほどかけてこうしたリストにまとまったのだけれど、やってみて「なんと自分はアホな人間だろう」と思ってしまった。これが皆さんの読書のお供になれば、と今は願うばかり。まあ所詮は「道楽」「暇つぶし」で作ったリストなので、読んだことがないものがあっても「そういうものなんだな」というくらいの気持ちで「受け流して」いただければ幸いだ。ただ、私の人生にかなり深く「突き刺さった」本のリストであることは間違いないので私という人間を知るためにはうってつけかもしれない。

backtolife.hatenablog.com

それで時間が空いたので(休みだったこともあり、端的に暇な日だったのです)、近藤弥生子『オードリー・タンの思考』を読む。日本でずいぶん人気を博している彼女だが、この本はそうした雨後の筍のような「ブーム」に流されないしっかりした作りでこちらに台湾の歴史や彼女の半生をていねいに教えてくれる。かねてより日本人の中には大谷翔平のような「天才/英傑」を崇拝する心理があると私は思っているのだけれど、彼女の人気もそうした「IQ180の才媛」という突き抜けた天才性を示していることが大きいのだろう。だが、実際の彼女は(少なくともこの本によれば)私たちの「隣人」、私たちと同じ地平に立ちつつそこからバーズアイ/千里眼で世界を見渡している人物だ。私はついに彼女のような天才性を持たないが、せめてそのバーズアイを見習いたいと思っている。この本からも実に多くの示唆をゲットできたと思う。

この日記でジョブコーチの方への感謝を記したことで、その方からLINEメッセージをいただいた。過去のことを思い出す。過去に、「自分なんて大したことない」「死ねばいい」と思い込んだまま職場でイビられる毎日を過ごし、その苦しみに耐え切れず毎日酒を呷っていた日々があったことを改めて思い出す。酔っ払った頭でTwitterに入り浸り、悪罵の限りを尽くして政府や政治の悪口を書き込んだ日々が確かにあった。それは何ら建設的な批判に至らず現実を変える足がかりにもならなかったわけで、言わば時間のムダで……そうした「負け犬根性」が取り憑いていたからこそ自分はダメだったのだ、と総括するのは残酷だろうか。あの頃はそのようにして酒がガソリン代わりだった。それはそれでいい(というかそうするしかなかった)。だが今はもう違う。今はこんな私のためにそんなジョブコーチの方たちが奔走して下さっていることを知っているからだ。それを思うとブザマな姿は見せられない……また「自分スゴイ」な日記になりつつある。反省、反省……。

夜、断酒会に行く。そこで自分自身の体験談を話す。腹を括られたのだろうか、新しいメンバーの方も堅実に参加されるようになった。そうして新しい方の体験談を聞かせてもらうと、確実にその方々の話を通して気づき・学びがあることに気づく。私自身、酒に溺れていた頃幸せは「掴み取る」ものだと信じて外側に幸せを探していた。結果として早稲田まで出たけれどこれっぽっちも幸せではなく、胸の内は空虚なままだった……その後酒を断ち、おっかなびっくりで体験談を話し始めるようになりそうしていると自分を苦しめていたものの正体が見え始めた。語ることは薬になる。そして、今は自分自身の内側に幸せの在り処を探るようになり、結局本を読んだりこうして何かについて考えることが自分の幸せなのだと思うようにもなった。自分は出世することはないだろう。ただ、「そこそこ」ではあるにせよ満ち足りた人生を送れていることは間違いない。ならばそれ以上のものを闇雲に求めるべきでもないのかな、と思いつつある。