跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/09/16 BGM: Sting - Englishman In New York

今日は早番だった。朝、職場で出勤しておられた方に申し出て、ぼくがお世話になっているジョブコーチの方と彼女たちをつなげられないかという話をした。ここ最近、ぼく自身の発達障害が足を引っ張って職場で彼女たちの指示が理解できないところがあるので、それについてジョブコーチの方を交えて話し合えないかと思ったからである。ずいぶんそのことについて話し込んでしまって、結局最終的には「かしこまった面談ではなく、立ち話としてならいいよ」という話になった。ただそこで「そのジョブコーチの方を介して私たちの話を理解したいということは、私たち自身のことを信用していないのか」という話になり、それに関してどう答えていいのか困ってしまった。たとえ話をするなら、ぼくは柄谷行人ウィトゲンシュタインを読むけれど彼らのテクストがいったい何を意味しているのかわからないことがある。それに関して、第三者的な立場の人間が書いた「解説」を挟んで理解し直すことで大元の柄谷やウィトゲンシュタインが理解しやすくなることがある。それと同じことなのだけれど……ぼくの説明の仕方がまずかったのだろうか。どうもぼくは話すことが下手なようで、まだまだ修行が足りないと思った。

昼にそんなことを考えて、ふとスティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」を聴き直したくなった。それで、あらためてこの曲の歌詞を読み直す。異国/異郷の地で生きる人間の孤独と矜持を描いたこの曲はまさにいまのぼくのことを語っているように思った。ぼく自身、上に書いてきた発達障害者として会社や私生活の中において孤独を常に感じているからだ。「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」の曲の主人公がそんな孤独の中で自分の流儀を守り通して生きるように、ぼくもメモを書く時は英語で書いてみたりして(ここは日本で、皆日本語をしゃべっているというのに)自分の流儀を守っている。それで「あなたの脳みそは私たちとは違うんだね」と言われてしまったりもして……そう言われても困ってしまうのである。ともあれ、ジョブコーチの方に昼休みにLINEをして上に書いたことを話す。さっそくつなげる話がまとまった。ああ、いろいろこの職場でつらい思いをしてきたけれど、いまは確かな幸せを感じられる……仕事が終わったあと、歯医者に行きそこで歯の治療をしてもらいそしてグループホームに帰って夕食を食べてぼんやりしてしまった。そこからふと思ったのだけれど、ぼくはいつも発達障害のことを書いたり考えたりしている。それについて、人からは「そうは見えないです」「あまり気にしない方がいい」と言われてしまったりもする。そうなのかもしれない。なにせこれは「見えない障害」なのだから……でもぼく自身の主観から見て、ぼくは常に発達障害を意識させられて暮らしている。それもまたリアルだ。そうした他者からの評価とぼく自身のぼくに対する評価の中でぼくは引き裂かれて、揺れ動き続けている……だからこそ最近柄谷行人『探究I』などを読んだりしているのかもしれない。柄谷のことを説明できるほどぼくは賢くないが、そこから言えることはぼくは自分のこの生きづらさにこそ関心があって哲学を読んでいるということになる。ぼくが救われるため……だから世界をより良くするためとかそんな理由で哲学に触れているわけではまったくもってないのだった。今日、ふとSpotifyで柄谷の『世界史の構造』『力と交換様式』についてオープンソースと絡めて解説しているポッドキャストを聞いたのだけれど、そこから興味を抱いて柄谷を読んでみたいとも思い始めた。ただ、それもぼくからすれば「(ぼく自身の人生を)より良く生きたい」というエゴイスティックな理由からである。夜、Discordでイタローさんのラジオ番組に参加する。今回はリスナーとしてだ。そこで「自己コントロール」について話を聞かせてもらう。習慣を築き上げること、自己を振り返ること、節制に務めることからストア哲学についてまで話が及ぶ。ぼくは自分自身がアルコール依存症を生きている身なので、そこから酒に呑まれていた頃を振り返ってしまった。断酒会に参加し、そこで断酒を共にする仲間と切磋琢磨(という言い方が適切なのかどうなのかわからないけれど)することの大事さを知ったこと。「身体で」習慣を身に着けたことからかつてはあんなにめんどくさかった風呂もいまでは毎日入れるようになったことなどを振り返ってしまった。あらためてありがたい放送だったと思った。その後詩を書き、なかなか眠れなかったがなんとか床に就いた。保坂和志カフカ式練習帳』を読み、次に読む本のことも考え始める。柄谷の『力と交換様式』をいきなり読むべきか、それとも『世界史の構造』あるいはそれ以前の『トランスクリティーク』から順を追って読んでいくべきか……そして「ぼく自身のポッドキャスト」を3分間だけの短い時間録音して放送するのもいいのかもしれないな、と思った。ただ、その場合英語にすべきなのか日本語で話した方がいいのか。どうしたらいいのだろう。