BGM: YMO "BEHIND THE MASK"
塵も積もれば山となると言うが、実は私は時折見た夢を記録することを試みていて、それが少し溜まってきた。俗に他人の夢語りは退屈と言うが、忘れ去ってしまうのももったいないと思ったので書き始めたのだった(友だちの夢語りに触発された、というのもある)。もちろん自分では自分の夢語りが面白いかどうかわからないので皆さんの判断を仰ぐしかない。こういう川上弘美的なシュールな掌編を書いてみたいとも思っていたので、もちろん私は自在に夢をコントロールする能力など持っていないけれど、結果的にラッキーなのかもしれないなと思っている。
今日は休みだった。朝、「朝活」の一環でイオンに行く。そこで本を読もうとするが頭が働かない。焦りが芽生えてくるが、もちろん自分ではどうしようもない。仕事でも何でもそうだが、日本人がお米を炊く時の「始めちょろちょろ中ぱっぱ」の精神で少しずつ手探りで調子をつかむことを試みる。そうしているとどこかで調子をつかめてきて、次第に波に乗れるようになる。最近はインプットが多いので自分から積極的に「学び」をアウトプットすることが必要なのかもしれない。こうしてFacebookを使うのもひとつの手ではあるだろう。LINEで友だちに伝えるのもいいのかもしれないが、なかなか私の書いたことに返事が来ないこともある。もちろんそんなことは日常茶飯事なのだけれど。
とまあエラそうに書いておきながら、結局午前中は手応えもなく終わってしまったのでご飯を食べたあと昼寝をして、昼に片岡義男『彼らを書く』を読んだ。ビートルズとボブ・ディラン、プレスリーについて記したエッセイが並んでおり、もちろん読ませる。片岡義男の書くものからはいつも鋭敏な知性と感性を感じる。自身の中で生じる戸惑いなどの感覚を言葉にして果敢に書き記す。そんなストイックで真面目な姿勢に惹かれる。彼のエッセイ・コレクションも実に面白く、デザインもクールなので古本ででもいいから手に入れたいと思うがどこを探しても見つからないのだった。
夜、坂本龍一『音楽は自由にする』を読む。坂本龍一という人は謎だ。この本は彼が自分自身の半生について語ったものなのだが、知られるように彼は日本を代表するミュージシャン/アーティストでありながら「気負い」がなく、ベルトルッチとの仕事で有名になりながらもガツガツと欲張って生きてきたわけでもないらしい。80年代の波に乗ってYMOの一員として活躍し、その後ソロで数々の名盤を出しながらも、本人の感覚としてはその時その時訪れる波に揉まれながら乗りこなし方を覚えていく内にいつの間にか成功していた、というらしいのだ。そういう人生もあるのだろうが、なかなか真似できる人生ではない。覚悟を以て貫き通さないといけない渋い生き方だ。