跳舞猫日録

Life goes on brah!

2021/10/31

今日は衆議院選挙の日。実を言うと、私のところには選挙の入場券が届かなかった。グループホームの管理者の方のところにも届いていないというので、当日になってどうしたものかと思いわざわざ会場を調べて行くのも面倒くさいので棄権することも考えた(私は棄権はそれはそれで意思表示になりうると思っている。こんな茶番に付き合ってられない、と思うのも自由だ)。だが、それはカッコ悪いことのようにも思ったので取り敢えず市役所に行き、そこで調べてもらって会場に行って貴重な一票を投じてきたのだった。

このゴタゴタが、この国の現在を象徴していると語ると大げさすぎるだろうか。シニカルすぎるかもしれない。投票後、チャットでこの選挙の話題で盛り上がった。相手が、政権交代だけはゴメンだ、なにしろ「悪夢の民主党政権」だったのだからと言っていたのが印象的だった。私は民主党政権の時代のことは全然覚えていない。当時は酒浸りで過ごしており、生きることも半ば諦めて毎日「なんで生まれてきたんだろう」と死ぬことばかり考えて生きていたので、3.11のことすらロクに覚えていないのだった。情けないというか、気恥ずかしいというか……。

ただ、「悪夢の民主党政権」だったのかもしれないけれど、では自民党が政権を取り戻してからいいことがあったのかなと考えるとそれも思い出すのが苦しい。生活は豊かにならないし、スキャンダルに溢れているし、給付金は1度しかもらえなかったし、等など……もちろんこんな苦しいコロナ禍では誰が政権を担当しようとオードリー・タンのような天才でもない限り現状を打開するのは苦しいはず。そして「天才が一挙に問題を解決する!」と期待するのではなく、地に足の着いた次元から物事を見て地道に解決することを目指したほうがいいと、ぼんやり私は思っている(その意味で、菅政権は大変だっただろうなとも思う)。と言いつつ、私は自民党には投じなかったのだけれど。

堀江敏幸『書かれる手』という本を読んだ。堀江敏幸の書くものは好きで、ここ最近熱心に読み返している。彼の書くものは明快な主張があるわけではない。もちろん難解なものを書いて気取る愚は犯しておらず、丁寧に分析する意志を感じるのだけれどその分析は読めば読むほど奥が深い。堀江敏幸のように書きたい、あるいは彼が畏敬の念を以て接する古井由吉のように書きたい(私も大好きな作家なので)……そう思い、私も今日から小説めいたものを書いてみることにした。タイトルは「Bewitched」とつけた。まあ、気晴らしになればと思っている。