跳舞猫日録

Life goes on brah!

2021/08/14

ああ、有名になりたくて、目立ちたくて……思い返せば30代もブログをやっていたのだけれど、当時はもっと人を攻撃することばかり書いていたように思う。ご意見番になりたかったのだ。下ネタも書いた覚えがある。なにを勘違いしていたのだろう。確かに、読まれないよりは読まれる手応えを感じる方が嬉しい。それは認めざるをえない。なのだけれど、確かに信頼できる人に今の自分を保証してもらえて、支えてもらえる。その有難味を忘れてはいけないとも思う。今、私は私の思うところを書けていて、頼れる人に読んでもらえている。それを有難く思う。これでいい……。

エリック・ホッファーの影響で、彼が熟読したというモンテーニュの随筆『エセー』を読もうかと思っている。昔、通読しようとして岩波文庫で全6巻出ている第1巻だけを読んで挫折してしまったのだった。私たちが自分の思考のひらめきを「エッセイ」と称して書いているその「エッセイ」は、この『エセー』に由来するものだという。つまり『エセー』はエッセイストの父親のような存在なのだ。最近はこんな古めかしい本ばかり読んでいる。ついにエリック・ホッファーの『波止場日記』も買ってしまった。まあ、ボーナスも出るみたいだし……。

ベン・ウィートリー『ハイ・ライズ』という映画を観た。イギリス映画の底力を見た気がした。格差社会というか階級社会が既に存在していて、ワーキングクラスの人間は一攫千金を夢見てロックスターになるか、一生貧しい生活を生きることを覚悟しないといけないという社会。彼らの持つ風刺の精神の強烈さにやられた。日本も既に階級社会が成立しつつある。私も貧しい人間として辛うじて野垂れ死にしない程度にボチボチ生きないといけないのだろう。そう考えると辛くなる。優れた映画はそんなささくれだった心を癒してくれる。

映画を観始めた頃、『ピンポン』という映画に夢中になったことがあった。高校生の卓球を扱った漫画を映画化したものなのだけれど、ヒーローの存在意義について語られる場面が印象的だった。私も、仕事に入る前は不安だし逃げ出したいしで辛くてしょうがない。でも、仕事に入ると私の中のスーパーヒーローが現れて仕事をしてくれる。この日記にしてもしかり。書く前はなにも書くことなんてないと思って面倒くさくてしょうがない。指が勝手に動き、そして文章を書いてくれる。それを見守るだけでいい。だからある意味楽ちんではある。