書痴の1人として、ぼくはどんな本をこの年末年始に常に携帯し、そして楽しむべきか考えている。基本的にはこの種の、本の間を「はしご」する行いはお金がかからない(いやもちろん、楽しむためとは言え「買う」なら話は別だ)。だから本棚を見て、図書館のウェブサイトを見たりする。
勤勉というか生真面目な読者という自覚は実はないので、読んだことのない本も実は山ほどある。今年は大江健三郎に倣ってチャールズ・ディケンズに挑みたいと思う。『二都物語』や『オリヴァー・ツイスト』なんてどうだろう。でも最近はぼくはサマセット・モーム『人間の絆』にも関心を持つ。フォークナーやヘミングウェイの傑作群ももちろん外したくない、なんて。いまぼくはヴァージニア・ウルフの『ある作家の日記』を読んでいて、「ヴァージニア・ウルフなんてこわくない」かもしれないと思い始めているので彼女の本も必読かな、と思い……めちゃくちゃだ。
調子は悪かったのだけれど、今朝ぼくはZOOMのオンラインミーティングに参加させてもらった。そのミーティングでVardhanさんがある面白い本のプレゼンをして下さった。ロバート・グリーン『権力に翻弄されないための48の法則』という本で、話によると集団において他人とどううまくやっていくか(会社、あるいはプライベートのサークルなどでだ)を語った本のように映った。Vardhanさんは明晰にこの深い本について教えてくれて、議論についていくことができた。
プレゼンを聞き、アイデアが浮かぶ、日本ではある興味深い言葉がある。「呉越同舟」だ(いや、起源は中国の故事なのだけれど)。これは「敵対する相手であっても、同じ船に乗りパートナーとして協力しないといけない」という意味だと理解する。言い換えれば、賢くなって敵や師匠、上司を「利用する」必要があろう。意見をこの声で言えなかったので(喉が使えれば!)、チャットで書いた。ホストの方と他のメンバーが肯定して下さった。嬉しく思った。
そして思う。もしかしたら愛しすぎているのかもしれないけれど――偉大な本の、いや、偉大な学びの意志は確かに人を成長させる。このぼくはどうだろう。ぼくは48だ(いつも書いているけど)。若かった頃、ぼくはこんなふうに学ぶ意志を保てていたかどうか思い出してしまった。