跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/07/09 BGM: George Harrison - All Things Must Pass

その衝動は不意にやってきた。『ジョジョの奇妙な冒険』のポルナレフに倣って「ありのままに」話すと、そもそも今日は休みだった。それで朝起きて、これから起こることについて何の予感も感じないままのんべんだらりと過ごし、そして図書館に行き貸出期限を過ぎていたポール・オースターの本を延長させてもらった。それでイオンに行ったのだけれど、何もする気が起きなかった。ふと、イオンの中にある未来屋書店をぶらっと覗きたくなったので行ってみることにした。そしてそこで、その書店が大々的に開いている文庫のフェアに出くわしたのである。ぼくはぼんやりとそれまで(恥ずかしながら)読んだことがなかったヘミングウェイ老人と海』を「いっちょ読んでみるか」と思って買うことにした。その後、ふとぼくはフェアの1冊である谷川俊太郎の詩集『二十億光年の孤独』と出くわしたのである。谷川俊太郎か……そう思い、彼の詩にこれまであまり強く関心を持ってこなかったのだけれど、「いい機会だし読んでみたいな」と思ってぼくはその『二十億光年の孤独』を買い求め、そして書店を去った。その時、ふとぼくは「その衝動」に駆られた。「ぼくも詩を書けないだろうか?」と。

その集英社文庫版の『二十億光年の孤独』は面白い構成を採っている。英訳されて世界で読まれているらしく、「日本語のオリジナル詩」と「それを英訳した詩」という二言語/バイリンガルで構成されているのだ。さすがに英訳されたものまで今の段階でディープに読み込めたわけではないけれど、谷川俊太郎の繊細でみずみずしい日本語に触れて「こんな風に書いてみたい」「ぼくから出てくる詩はどういうものだろう」と思い始めたのだった。いや、不遜極まりないとは思うけれどそれでもそうした衝動を抱いてしまったものは仕方がない。それで居ても立っても居られなくなり、図書館に行き谷川俊太郎のエッセイ集を「小手調べ」のつもりで借りることにした。その後グループホームに戻りDiscordをさっそく立ち上げて、詩関係のサーバを探して加入した。そしてそこでぼく自身の詩を1つ披露した。とはいえ、たった4行の詩をアドリブ/即興で書いたのだからぜんぜん威張れたものではない。女友だちからその昔「詩も書けるのではないですか」「あなたの書いた詩を読んでみたい」と言われたことを思い出した……その時はまだ日本語にこだわっていて、書いてはみたけれど文字通り「手遊び」で終わってしまったっけ。

考えてみればこれまで、そんな風に詩を真剣に楽しんだことがあっただろうかと思い始めた。いやこれまで、勢いでノーベル文学賞受賞のニュースに触れたことから(ぜんぜん予備知識ゼロで)ルイーズ・グリュックの詩集を買ってみたことがあった(まだ邦訳がなかった時期だったので、分厚い英語のペーパーバックを買った)。あるいはアレン・ギンズバーグチャールズ・ブコウスキーリチャード・ブローティガンの詩にも興味を持ったっけ。ミュージシャンならモリッシールー・リードの詩集だって肌身離さず「携帯」していた時期がある。だけど、詩に関しては結局のところ「ノーマーク」「アウトオブ眼中」だった。詩はぼくにとってマンガと同じで「どう楽しんだらいいかイマイチわからない」「コツを掴めていない」というのが敬遠して(敬して遠ざけて)きた主な理由だった。でも、大げさになるけれど「ぼくにとっての老後」に向けてぼく自身の詩を書いてみるのもいいかなと思えてきた。英語で書いてみるのはどうだろうか……そうなってくると韻を踏むことも考えないといけないし、もちろん語彙を増やすことも必須だ。それに飽きっぽさが災いしていつまで続くのかわからない。三日坊主で終わってしまうのだろうか。

夜、英会話関係のミーティングに参加する。そしてそこでまた『コスビー・ショー』を観ながら英語を学ぶ。紋切り型の表現になるけれど「活きた」「本場の」英語はまだぼくにはハードルが高く、ショーの中で登場人物たちが何を言っているのかわからず「置いてけぼり」にされそうになったりもする。それゆえにトンチンカンな解釈をしてしまって恥をかいてしまったり……でも、ホストの方がにこやかにきめ細かく示される気配りが細やかだったのでぼくも楽しむことができた(ありがとうございます!)。だから、その方の好意に応えたいと思った。顔に泥を塗ることはしたくない……それゆえに果敢に発言した。アントニオ猪木スティーブ・ジョブズに倣って「馬鹿になれ」「stay foolish」の精神だ。Discordで披露したくだんのぼくの詩にもコメントをいただいた(これもまたありがたい)。これから詩を書き溜めたら自分の詩集ができあがるだろうか。それを1冊の本に製本することは可能だろうか。同人誌にすることはできないだろうか……いや、そんな事務的な能力がからっきしぼくに欠如していることはわかりきっている。できっこない。だけど、ぼくはそんなふうに夢見てしまう。「夢を見すぎて死んだやつはいねえよ」……誰かがこんなことを言っていなかっただろうか?

Hello, I'm disco cat from Japan. From a small haiku country
So, in a way, I've been from oriental gadgets pantry, or a factory
I can't see what kind of poetry. I just write like a diligent laundry
I hope it would entertain you as a souvenir of a strange country