跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/06/05 BGM: Blur - For Tomorrow

今日は通院日だった。午前中、総合病院に行きそこでドクターに会い、いろいろ話をする。思えば大学生の頃に鶴見済の本を読み、「困った時は精神科に行って薬をもらえばいい」「脳をチューニングして楽チンに生きよう」という言葉に乗せられて精神科の門を叩いたのがきっかけで、それから20年以上の精神科通いが続いている……通い始めた時はただ「薬を飲めばすべて解決する」と高をくくっていたのだけれど、次第にそう甘いものではないこともわかってきた。前にも書いた通り、生きづらさを作っている原因がぼくの発達障害にあることを学んできて、それは治らないものであることも認めなくてはならなくて……でも、これを以て「ぼくは不幸なんだ」とも言いたくない。思えば過去に「障害者手帳を利用したいんです」と(今とは別の)ドクターに訴えたら、「そんなことをしたらリストラの対象になるかもしれない」「止めておきなさい」と言われたっけ。その頃から比べれば発達障害を取り巻く環境は実に劇的に変化したと思う。ああ、時代は変わる。

DiscordでこんなYouTubeのビデオを紹介してもらった。いわゆる「第2言語」を効果的に習得するにはどうしたらいいかという内容で、このビデオではインプットが大事と謳われていた。もちろんアウトプットも欠かせないのだけど、まずみっちり自分の中に言葉を叩き込むことによってこそそのアウトプットは活きる、と……観終えて唸らされてしまった。ぼく自身はここ最近はclubhouseでアウトプットを重視した学習を行ってきた。人と積極的に(自分なりに)交わり、そこでのコミュニケーションを通して状況に応じて自在にアウトプットできるように、と。裏返せばそうしたアウトプットにかまけてインプットを忘れてしまっていたとも言えるので、このビデオはいい薬だなとも思った。これまで買ってきたまま「積読」だった村上春樹の『ノルウェイの森』やナボコフ『ロリータ』のペーパーバックなどを具体的に、少しずつ読み込む努力をしないといけないのだろう、と……それはもちろん実に地道な努力が要請される。楽しいものではないだろう。だけど、やってみる価値はあるとも思った。


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夕方、時間が空いたのでclubhouseで別の方のルームに入る。そこでは英語教師の方がホストを務めておられたので、その方に「インプットとアウトプット、どっちが大事なのでしょうか」と質問してみた。すると「どっちだと思う?」と逆質問されてしまい、そんなことは予期していなかったので頭の中が真っ白になってしまって辛うじて「自分のシャイネスを克服するためにもアウトプットが大事なんじゃないでしょうか……」というようなことをたどたどしく話した。するとその方は、「私もそう思う」「私はサロンで、『インプットの3倍の量や時間のアウトプットをするように』って教えてるよ」とおっしゃった。なるほどな、と感服してしまう。まったく矛盾することを教わってしまったことになるが、これはどっちが「絶対的な正解」というものでもなくその人にとって「合う」方法を適宜判断して応用していくのが肝要ということなのだろう。これもまた、ぼくにとっては大事な学びだと思った。いやはや、語学の勉強に王道はない……。

それにしても、そうして英語学習に身を投じるにつけ日本での英語学習に改めて「驚異」を感じてしまう。もちろん英語は世界共通語であり、世界中の人々が学んでいる言葉だ。キャリアを磨くため、日常生活のため、旅行に行くため、などなど。だが、日本ではそうしたアクチュアルな目的のみならず「英語を話せたらカッコいい」というスノッブな理由もいまだ幅を利かせているとも思う。いや、これを以て「だから日本人はダメなんだ」なんてことを言うつもりもない。それはイージーにすぎるし、そこからは何も生まれないだろう。少なくともぼくは、そうして学ぶ上で「学ぶ自分、話せる自分カッコいい」という自己満足も大事だと思うけれど、それ以上にその言葉を通して人とコミュニケーションを楽しむというそんな外部/他者への感受性もまた大事にしたいとも思ったのだった。明日からは市の英会話教室も始まる。そこでどんな人と出会えるものか。そしてどんなぼく自身をその教室で表現できるものか。そう思うと明日が来るのが待ち遠しく思われてきた。