跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/12/23 BGM: PERSONZ "Deja Vu"

今日は遅番だった。朝、森まゆみ『震災日録』を読む。この本は東日本大震災から1年にわたって記された著者の日記で、あの当時の日本の空気をパッケージングすることに成功した、実にシブい仕事だと唸る。私自身は実を言うと3.11が起きた時のことを何ひとつ覚えていない。当時はそれだけ酒に呑まれて精神状態がメチャクチャだったということなのだけれど、こうした仕事に触れると日本が見舞われたあの未曾有の危機について思いを馳せることができる。彼女の見解には異論を持つところもあったが、それでもいい本を読んだと思った。

Amazonで欲しい本を見つける。こうした際、昔ならワンクリックで買っていたかもしれない。実を言うと私は買い物依存症の傾向があって、昔は後先考えず買い込んでしまい後になって泣きを見たことが多々あったのだった。今回は何とか買い控えられた。グループホームの方にLINEでこのことを報告する。ボーナスは出たけれど、手袋を買ったり昨日のような忘年会に出たりして順調になくなりつつある。やれやれ、お金はなかなか貯まらない。青山真治の日記の第2巻も出るということで、当分はまた貧乏に暮らすことになりそうだ。

お金は貯まらないけれど、これは(前にも書いたけれど)自分が選んだ道なのだという自覚がある。断酒会で会長が語っておられたこととして、いい大学に入っていい会社に入ることが成功だと思っていたのは間違いで、平々凡々たる暮らしこそが幸せなのだと気づいたということを思い出す。私も同じことを思う。何でもない日々……普通にご飯を食べられて、普通にインターネットできて、普通に眠れる日々。そんな日々の中に幸せを見出す。森まゆみの本を読んで震災当時のパニックを思い返すと、つくづくそう思う。

森まゆみミラン・クンデラを引いて、記録すること、覚え続けることの優位を語る。私のこの日記もまた、何でもない日々を記録することに徹した産物だ。そんな大それたことを考えたわけではなく、日本や海外の友達に向けて自分の生活をシェアできればと思って始めたことなのだけれどその試みはここまで続いた。途中、いろいろなことがあった。だが日々は続く。2022年が終わり……この日々の記録が後に何か重要な意味を帯びるとするなら嬉しい。めんどくさい時もあるけれど、それでもこの記録を書くことは今では私の生活に欠かせない活動の一環となっている。