跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/12/05 BGM: Prefab Sprout "Carnival 2000"

今日は遅番だった。今年のことを振り返る時期に差し掛かっている。前にも書いたかもしれないけれど、今年はボランティアで通訳の仕事をしたのが大きかった。思い起こせば英語を学び始めて30年余り、大学ではアメリカ文学まで学んだ。その成果がこうした形で実ったのだと考えると嬉しかった。いやもちろん、結果としてはもっと勉強しなくてはならないと痛感させられたのだけれど、それでも英語を活かせたのは楽しかった。来年はどんな年になるだろう。来年もこんな機会に恵まれればと思うが、先のことはわからない。

朝、フェルナンド・ペソア『不安の書』を読み進める。この本は相変わらず深い。キーワードとなっているのは倦怠感であるようだ。おそらくペソアという人は「賢すぎた」人だったのではないかと思う。とても感じやすく(「繊細さん」?)、そしてとても思考が鋭敏だった人。そんな人であるがゆえに生きることを頭で「下らないこと」と大掴みに捉えられたのではないか、と。もちろん人生は頭でっかちに生きるべきものではないけれど、そんな賢すぎる人ゆえの苦しみというものもあるのかなと思った。ペソアロラン・バルトを並べて読めばどうなるだろうか。

ふと、音楽を変えてみる。プリファブ・スプラウトの音楽を楽しむ。最近はこうして「まったり」とした音楽に親しむ機会が増えた。「まったり」とはしかし、英語に訳しづらい言葉だ。自分のペースで、開高健言うところの「悠然として急げ」というモットーに則って……私はそもそも肩に力を入れて、張り切って生きることが苦手なので「柔能く剛を制す」の精神で生きたいと思う。昔はプリファブ・スプラウトの音楽はただ生ぬるいポップスだとしか思えなかったのだけれど、今は大人の知恵が活きた良質の音楽だと思えるようになった。リチャード・カーティスの映画のように。

ああ、今から10年前……私は紛れもなく人生のどん底にいて、孤独でただ酒に溺れるしかなかった。あの日、10年後の自分自身のことなんてぜんぜん見えなかった。あれから、DiscordやWhatsAppやリアルで友だちを作ることができて、仕事も少しずつやりがいを感じられるようになった。これから10年後はどうなっているだろう。まったくわからない。今やっていることが未来を創ると信じてやっていくしかない。きっと悪いようにはならないだろう、と信じて……「悠然として急げ」。そして、明日がまた来て、人生は続く。

We ask for any wrong we've done
The years ahead forgive us
We ask for any good we've done
That all of it outlive us
Prefab Sprout "Carnival 2000")