犬は吠えるがキャラバンは進む

The Dogs Bark, But The Caravan Moves On.

2022/07/30

BGM: Momus "Marquis of Sadness"

図書館に行き、イアン・マキューアン『最初の恋、最後の儀式』という短編集を借りてきた。さっそく読み始めている(私の読書とはこんな風に、ただ読みたいものを野放図に読み散らかすというものだ)。この歳になってみると不思議なもので、まだ読んでいない本よりすでに読んでしまった本の方が面白く感じられる。イアン・マキューアンは私が尊敬するライターの三田格氏の影響で読み始めたのだけれど、なかなか面白い。近親相姦を扱ったアブノーマルな作風なのに、書いている姿勢が極めて真面目だからこそ読ませる。

古本で注文していた片岡義男『英語で日本語を考える』が届いた。これも少しずつ読み始めている。片岡義男の断言に「それは違うんじゃないか」と違和感を覚えなくもないものの、しかし彼の理知的な英語での考え方に唸る。言いたいことを日本語から英語に移し替える際に必要なのは、日本語での表現に囚われずざっくり言い換えてしまうその思い切りの良さなのだろうと思う。片岡のこの本はそのコツを教えてくれる内容が書かれていると思う。なので、この本から謙虚に学びたいと思った。私の英語をブラッシュアップさせるために……ブラッシュアップという言葉が相応しいのかわからないけれど。

今日は仕事から帰るとすぐに寝てしまった。そのせいで『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を観る余裕もなかった。起きてやったことと言えば本を読んだり、Discordでチャットをしたりといったことくらい。チャットでは初恋の話題について盛り上がっていた。私は子どもの頃は女の子から蛇蝎の如く嫌われていたので、初恋の思い出はない。多分30歳ぐらいの頃、ウェブサイトを営んでいた時に出会った読書好きの女性に抱いた恋心が初恋だったのかもしれないな、と思っている。あれから幾星霜。人生は続いていく。佐野元春に倣って言えば「Beat Goes On」。

初恋の思い出やその他に性愛に関する思い出を、今書いている小説の中に盛り込みたいと思うようになった。かつて、友だちなんてひとりもおらず孤独に過ごしていた高校時代、村上春樹の『ノルウェイの森』を読みそこに書かれていた純愛について考え、同時にエロティックな事柄についてもムッシュムラムラと妄想を膨らませていたことを考える(純愛と性愛が同居しているのがこの小説の特色だと思う)。私の高校時代はドストエフスキーも通らずこんな本ばかり読んでいた。だが、それが私である。誰に恥じることもない、私だけの道を私は歩いて行く。