跳舞猫日録

Life goes on brah!

2023/10/25

BGM: Underworld - Jumbo

今朝、図書館に行って村上龍の『MISSING』を借りた。実を言うとぼくは村上龍のことはあまり好きではなかった(少なくとも、確かにすばらしい作品を書いているとは認めるものの春樹ほど熱心に読んできた記憶はなかった)。龍の態度や意見といったものはぼくにとって「スノッブ(俗物)」の臭いがしたからだ。でもいま、その『MISSING』を読んでいてぼくは思った。龍は確かに、きわめて誠実に彼自身や彼の人生を見つめ続ける鋭い目と感受性を備えている、と。第3章まで読んだのだけれど、とても篤実にかつ内省的に書かれた作品だ。

昨日参加した英会話教室のことを思い出す。確かに楽しむことができて、こんなことを考えさせられた。ぼくはもっと「ウェルカム」な態度を新しく入られた方に向けるべきだった、と。というのは何人かの新入会員の方々が不安などから話しにくそうにしているのがわかったからだ。もしその人たちが「流暢に話せる人が偉い」と思っておられるとしたら、それは悲しいと思う。理想論に聞こえるかもしれないけれど、ぼくはいつもそうした新人さんからこそいろいろなことを学びたいと思い、また実際に学ばせてもらっている。これは断酒会で得た経験から来るものかもしれない。新入会員たちはぼくたちの先生である。その人たちを通して学び、成長していく道を照らすことができる。この原則を心に留めておきたいと思っている。

このことをDiscordの友だちに話したところ、ある人がこんなアドバイスを下さった。「小さな成功体験を積んでもらうことが大事だと思います」。こんなことを思い出してしまった……かつて、ぼくは人前で話せなかった。文字通り、人と会うと縮こまってしまって何も言えなくなったのだった。でも発達障害を考える会や断酒会に行くようになって、小さな成功体験を積むようになりしゃべれるようになってきたのだ。このこと、先生や他のメンバーたちにも話した方がいいんだろうか、と思った。

休憩時間に、春樹の短い随筆を読み直す。彼は書いている。「どんな髭剃りにも哲学はある」。いろんな活動を通していろんなことを学べる……あらためて感銘を受けてしまった。