跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/12/01 BGM: Fishmans "すばらしくてNICE CHOICE"

今週のお題「人生変わった瞬間」

ジョン・アーヴィング『オウエンのために祈りを』の読書が進む。年末年始、いつもどんな本を読んで過ごすか考えてしまうのだけれど、今年はいっそのことジョン・アーヴィングの珠玉の作品群を読んで過ごすのも悪くないかもしれない。そして、ジョン・アーヴィングの作品から自分自身のこれまでの50年近くの人生を振り返るのもいいのかもしれないとも思う。人からは「ロスト・ジェネレーション(さまよえる世代)」と言われ、確かにロクでもない星回りの下に生まれたとも思うのだけれどジョン・アーヴィングの小説は「それもまた一興」と腹の括り方を教えてくれるのではないかな、とも思う。

自分の人生を変えた瞬間を振り返ってみる。ああ、あの日隣に座った同級生に借りた村上春樹1973年のピンボール』を読んだことがハルキ文学との出会いだったとかそういうことを思い出す。だが、それにも増して40歳の頃だったか、市内の古民家カフェで行われた発達障害をめぐるミーティングに参加したことがきっかけで私は運命的な出会いを果たした。今もお世話になっている方々だ。その方と出会わなければ私は未だに自分が生まれてきたことを間違いだったと断罪し、生きることを後ろめたく思い続けていただろう。ああ、それが人生なのか。

私は確信する。生まれてきたこと、生きていること、人と出会いを果たすことにはそれ相応の意味がある。その意味はしかし、今はわからないかもしれない。しかし生きていれば必ずそれが重要な出来事だったということがわかる日が来る……あるいは、こうも言えるかもしれない。デタラメでも何でもいい、とにかく生きる。そうすれば生きて得たことが必ずどこかで活きる日が来る。私は英文学を学んだ。その英語は今に活きている。悩んだ日々、頑張った日々はどこかで自分に報酬となって帰ってくる。それは生きてみて初めてわかることだ。そう考えれば生きることは楽しみにならないだろうか?

昔、私の住んでいる地方で年末年始だったか『アニメだいすき!』『シネマだいすき!』という特番が放映されていたことを思い出す。アニメや映画の2時間くらいある作品を放映しており、記憶が確かならそこで押井守ヴィム・ヴェンダースに触れたのだった(アテにしないで下さい)。今年もそうして年末年始は普段観ることのないアニメや映画に触れるのもいいかもしれない。私の人生も確実に終わりに近づいているのだから、ここらで一発敬虔な気持ちになれる、心が洗われる一本を浴びるのもいいかもしれないと思った。そうだな、シブい逸品……エミール・クストリッツァの映画なんてどうだろう?