跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/04/27

朝、クーリエ・ジャポン編『不思議の国ニッポン』を少し読む。そこで日本のサラリーマンに関して書かれた文章を読み、自分のことを考える。私もかつてはサラリーマンをバカにしていた。没個性的な存在であり、保守的な生き方の象徴と思っていたのだ。個を主張して尖って生きたいと思っていたので、そんな生き方はまっぴら御免だ、と……今、私は何だかんだあってサラリーマンとして生きている。サラリーマンが直ちに没個性的な生き方に結びつくという愚かな思い込みも捨ててしまった。なかなかこの生き方も味わいがある、と思う。

朝、ジュディスさんがclubhouseで開いたルームにお邪魔して話させてもらう。私はいつものように日記を朗読した。イギリスのアーティスト、バンクシーについて私が書いたところを読んだ。そこでうまく言えなかったのだけれど、バンクシーは価値観を破壊する存在であり同時に再構築もしている、愉快なトリックスターだと思っている。その意味では彼はまっとうな(?)、アーティストらしいアーティストだと言えるのかもしれない。私は美術は疎いのだけれど、ピカソアンディ・ウォーホルといった先人とバンクシーはそう離れていないのかもしれないと思った。

今日の読書はそんなバンクシーのアートが表紙に使われたブレイディみかこ『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』だった。ブラーのアルバム『シンクタンク』を聞きながら読む(このアルバムのジャケットもバンクシーのアートが使われている)。出た当初はぜんぜん聞く気になれなかったアルバムなのだけれど、今聞くと地味ながら渋い、彼らの底力が現れたいいアルバムだと思った。近年のブラーをきちんと受け止められていないというのは私の限界を示しているとも言えるのかもしれない。『The Magic Whip』も改めてきちんと聞きたいと思った。

ブレイディみかこの書くイギリスやヨーロッパのリアルは非常にわかりやすい。多角的な視点から政治について学ぶことができる。まだ全部読めていないのだけれど、風刺について考えさせられる。風刺画についてのトピックからこのことを思いついたのだけれど、ブレイディみかこのコラムも一種の風刺の精神というかユーモアを以て描かれていると言えそうだ。しかめっ面をして怖く論じるだけが政治ではない。時には対象を思い切り相対化し、吹っ飛ばしてしまう。そんな精神も自分には必要なのかな、と思った。ただ、それが直ちに「NO WAR, NO ABE」みたいになってはまずいとも思うけれど。