今日は6時半頃目覚め、7時にシャワーを浴びて洗濯機を回す。その後、7時50分からいつもの英会話のZOOMミーティングに参加する。今日の話題はAIの濫用が学習効率を下げるという話でなかなか話題が話題だけにむずかしく、ぼくもなんとか食らいついて自説を語ったものの通じていたかどうかあやしい。他の方の意見として「AIは使い方次第で有益にも無益にもなる」というのがあって、ぼくも大筋ではこの考え方に合意する。ふだんぼくはChatGPTやGeminiを使うことはほんとうにめったにないのでうまく例を出せないが、ソースのチェックさえおこたらなければいろいろなことを調べたりまとめたりするのに役立つはずだと思う。ぼくはその意味でたんに古くさい「老害」なのかもしれない。
そのミーティングが終わった後、グループホームの本家に行く。今日は遅番なので、グループホームの食堂を使わせてもらって前に書いた津原泰水の小説『ペニス』や鈴木創士訳『ランボー全詩集』などをめくる。しかし落ち着かず、あきらめて出勤されていた副管理者の方に相談ごとをもちかける。その相談ごととはこの日記でも書いてきたぼくの性愛の欲望についてのことで、けっこうエグい話になったと思ったのだけれど受け留めていただけて、親身に相談に乗ってもらえたと実感した。今年で50歳にもなると、肉体的にも精神的にもきつい。中年の危機というのか、それとももう老年に差し掛かっているということなのか。
副管理者の方によれば、ぼくはこの時期にやはり(クリスマスムードにアテられて)恋人がいないこと、性愛の欲望をもてあますことを苦にしてしまうようだ。それにくわえてこの性格・特性上1つのことに集中してしまったらそこから「抜け出す」こと、自分を一歩引いて見つめることがむずかしい。過集中というか、フォーカスが当たりすぎてそれで自縄自縛になるのだった。また、この欲望を持つことじたいはごく当然のことだともおっしゃった。もう50歳なのにこんな10代の小僧のような気持ちが抜けきれないことに我ながら恥ずかしくなり、『ペニス』に引かれていたエリック・サティの50歳の頃のコメントが身にしみる。
途方もない幸福だよ、老人であることは。若い頃、私はいつもこんな言葉に追っかけられたものだ。《今にいい日が来るよ、今に! きっと》。よろしい! 私は今老人だ。そして、何も来はしなかった。何も!
――津原泰水『ペニス』p.76
ただ、「何も来はしなかった」とはいってもこんなくさった過ごし方ではそれこそムダに時間をつぶすだけなので、本家を出た後イオンに寄りそこの三階にあるダイソーに行って小さなノートを買った。そして、そこに英語であれこれメモを書いていく。こんどは自分自身の素直な(ある意味「おぞましい」)欲望、あるいは吐瀉物のような思念を書き出していこうと思った。英語で書くことにはとくに意味はないのだけれど、なんとなく日本語で書きつけるとエグくなりすぎるとも思い、英語ならスマートにソツなく思いと対峙できるのでは……とカッコつけた心理がはたらいたのだった。
1時より仕事に入る。そして、5時に休憩時間に入り休憩所でさっき買ったノートやぼくが携帯しているメモパッドに英語でメモを書いていく。LINEで友だちにメッセージを送ったところ、返事が来る。ぼくの決断についてよろこんでくださっている内容のものだった。過去、ぼくは仕事にかんして行き詰まりを感じた時、「頑張りをムダにしてはいけない。辞めてはいけない」と語る友だちと「もうそんな仕事に殺される前に辞めたほうがいい」と語る別の友だちとのあいだで板挟みになり、どちらを取っていいかわからずひどく苦しくなったことがある。いまのぼくならあの板挟みの状況でどう立ち回っただろうか、と考えたりもした。
もちろん、これは友だちを責めたいわけではない。なにせもう20年ほど前のことだ。それに、彼らの真実とぼくの状況が食い違っていたがゆえに(ぼくの口下手、というのが大きかったろう)起きたこととも言えるだろう。いま、ぼくは自分の決断を信じられる。それはもちろんぼくが完全無欠ということを意味するものではない。失敗はする。恥もかく。でも、これまでそうして満身創痍になって生きてきた経験知が自分の中にあるというたしかな実感を持っている。それがいい方向にぼくを導いてくれると信じられるのだ。だから、いまは苦しいけれど前ほど絶望的ではないと自分に言い聞かせる。
その後、ぼくはいつもSpotifyを使って音楽を聴いているのだけどたまたまサジェストされたポッドキャスト「台本なし英会話レッスン」がおもしろそうだったので聴いてみることにした。ぼくが聴いた内容は高市早苗総理の英語力についてネイティブ・スピーカーの方が率直な意見を語っている回で、やみくもな否定に陥らず盲目的な賛美・擁護にもならず冷徹に英語力を分析する手堅いアプローチに惹かれた。彼女の発音のクセ、そこから生じうるミスコミュニケーションや断絶といったきびしい現実についても指摘されており、ぼく自身の英語を考える上でもヒントになるいい回だと思う。この番組はもっと聴き込みたいと思った。その後、また職場に戻り退勤時間まで仕事をこなした。
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