朝、いつものように7時にシャワーを浴びて洗濯機を回し、そして7時50分から英会話のZOOMミーティングに出席する。今日の話題はアジア各国がいかにイノベーティブな様相を呈しているかについてで、ブレイクアウトルームにて参加された方々と中国や韓国といった国々の文化やそういった国々が開発しているアプリケーションについてなどを話す。そこから転じて、なぜ日本がいまのように衰退してしまったのかが話題となって、ぼくはぜんぜん答えられなかったもののなんとか「アベノミクスは成功したという意見もありますが、ぼくは自分の生活において実感が湧きません。ぼくのようなロスジェネは割りを食っているのかなとさえ思います」と話す。楽しいひと時だった。
急に寒くなってきたからか、仕事前の時間にこれまたいつものようにグループホーム本家に寄らせてもらって食堂であれこれ英語メモを書いていたところ、悪寒を感じてしまった。そう思い始めると喉の調子もおかしいような気がして、けっきょく熱は平熱だったので考えすぎだったことがわかったもののいったんこうして不安に取り込まれてしまったらそこから抜け出すのがむずかしくなる。気取った言い方をするなら不安にフォーカスが当たってしまうと、そのフォーカスをずらすことができなくなる。むしろ不安について掘り下げて考えようとし始めて、死についてまで考え始めてしまい自分の人生の無意味さに泣きたくなってしまう。
さいわいにも今日は副管理者の方が出勤されていたので、ぼくが先日から書き始めた「I Wanna Be Your Dog」という断片的な性愛についてのメモ(けっきょく小説家になろうに投稿している)をお見せする。その方から感想をいただいた後、「書くことは自由だから、好きなように書いていい。書くことであなたの価値が下がったりしない」「自分をいじめてしまうのがあなたの性格のようだけど(完全主義も入っているみたいだけど)、もっと自分を許してあげたほうがいい」というコメントをもらった。1時間ほど話し込んでしまって、その方からはこうしていつだって励ましをいただいてきたなとあらためてありがたく思う。
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その後、いったんお手洗いに行ってそこでふと「50年も生きたのか……」とあれこれ考え込んでしまった。あっという間……ではなかったようにも思う。さいきん読んだ中島義道『観念的生活』でも書かれていたが、この身体はこの50年を覚えている。途中いじめに遭ったり、大学で孤独を味わった後に酒浸りになって転がり落ちるような人生を生きたことを覚えている。だから「あっという間」ではない。たしかな時間の蓄積というものがこの身体の記憶として根付いている。そんなことを考えた。その後、デス・イン・ヴェガス『デッド・エルヴィス』を聴きつつミア・カンキマキ『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』の続きをすこし読む。
その後、1時から仕事に入る。今日は印象深いできごとがあった。仕事において、ある外国の方(聞いたところフランスから来られたらしい)と英語ですこし話す機会があったのだ。その方は日本語で話しかけてこられたのでぼくも日本語で対応していたのだけど(それが礼儀だろうと思った)、ただスマートフォンのアプリを広げて翻訳アプリで英語を日本語に翻訳しておられたのでつい自然にぼくも英語を使ってしまったのだった。初歩的なフレーズを使った会話だったけれど、それでもうれしい。お役に立てたという実感を抱く。思えば、海外から来られたとおぼしき方を職場で見かけることが増えた。ヒジャブを着用している方、さっきの方のようにアプリをとおしてこちらに質問される方……これから、こういったケースは増えるのかもしれない。
5時に休憩時間をもらい、休憩室で英語でメモパッドにあれこれメモを書いていく。前にも書いたと思うのだけれど、40の歳に自助グループに参加してそこでメンターとなる方との出会いを経て、あるいはいまなお付き合いを続けさせてもらっている友だちとの出会いも増えて、ぼくの考え方もずいぶん変わった。20代・30代のころはこんな田舎町で暮らさねばならない境遇を嘆き、おもしろいことなんてなにもないしぼくの人生なんて終わったのだと思いこんで、そして酒浸りの日々を過ごしたのだった。いや、どこかでは「こんなところで死にたくない」と思う気持ちもあったりしたものの、けっきょく実現に活かせずに終わってしまっていた。
いまそんなふうに思うと、ずいぶん幼稚な夢物語・白昼夢におぼれていた時期だったことが見えてくる。いや、ぼくだって欲望(ことに肉欲に属するもの)はある。自分をかわいいと思う気持ちも依然としてある。ただ、それはそれとしてぼくはいま、前にも書いたようにこの町と世界をこの英語力でつなぐ存在になりたいという夢もある。それでいいのかな、と思っている。今日も最後まで仕事をこなした。
