単純な生活

Life goes on brah!

20251108

遅番明けの朝、それでも7時にシャワーを浴びて洗濯機をまわし昨日の服を洗濯する。その後、7時50分から英会話のZOOMミーティングに参加してそこで英語であれこれやり取りする。今日のお題はアメリカにおける外国からの来訪者のあつかいで、安全対策(テロなどの重大犯罪にたいする対策)と個人情報の管理にかんする話題からはじまり日本のマイナンバーカードや監視カメラをめぐる話題へと自在に発展していく。基本的にはこのミーティングは日本の英語学習者たちが主に集うのだけど、今日は中国人の方が参加され彼女の流暢な英語にさいしょは戸惑いもしたけれど学ばせてもらうことができて、参加して良かったと思った。

ぼくはSNSはおもにFacebookやMeWeを使っているのだけれど、そのFacebookでひょんなことからこの毎朝のZOOMミーティングの集いについて知り、参加するようになったのだった。英会話はただ英語力を磨くだけにとどまらず相手との呼吸・間合いをどう取るか、相手の言葉を汲んでそこからどう自分の意見を述べるか、それが非常にむずかしい。ことにぼくは発達障害が影響していてそのせいで雑談ひとつうまく転がせられず、恥をかくこともしょっちゅうだ。こんかいのテーマ、語りにくいものだったがツボにはまると「監視社会が」「プライバシーの侵害が」と自説を語ることに固執することになる。それもあって、今日はどう自分をセーブして相手の言葉に虚心に耳を傾けるか試されていたようにも思った。

10時より仕事に入る。午前中、ふとこの季節ならではのことがらについて考えた。というのは年末のこの時期はぼくの職場は繁忙期に入り、そのせいでなかなか休みも取れず働くことになる。そうなるとどうしても職員の心は殺伐とする。30代のころ(だからいまから20年ちかく前のことになるか)、その殺伐とした環境においてぼくは発達障害のことを訴えてそれで職場に理解を求めたりもしたのだったが、当のぼく自身もなにせ診断されたばかりで自分の特性もわかっておらず、したがってそんなことを「説明」するのもどだい無理な話で苦労したりした。

本人がそんな無知蒙昧な体たらくだったのだから、会社も「アスペルガー症候群?」ときょとんとしていたのではないか(いまから20年ちかく前はまだ「ニューロダイバーシティ」も「共生」もそんなにポピュラーな概念ではなかったはずだ)。それで、会社とぼく自身の姿勢に齟齬が生じてそこから破綻が来て、ここでは書けないことが起きてしまったりもしたのだった。それからかれこれ20年ちかく……ずいぶん生きたものだ。病院のベッドで「もう人生終わったかなあ」と思ったことがなつかしい。

あのころのことを冷静にいまから振り返れば、サポーターの不在が大きな問題だったということに尽きるのだろう。会社は会社の指針・方針があり、ぼくはぼくでそれにしたがってぼくなりに発達障害を押してけんめいに働いたことはたしかで……ただ、そのあいだに入ってくれる施設ないしは個人がいなかった。昨日入っていただけたジョブコーチという制度を知ったのも、メンターとなる方との出会いも40になってからのことで、そう思えばひどい時代を生きたものだとつくづく思う。

まあ、過去は過去だ。40になり、そのメンターとの出会いにはじまり自助グループの結成に立会、その方の薦めで英語のやり直しに踏み切って……そして10年。なんでもこうして継続していれば思わぬ「ぼた餅」が落ちてくるものなのだなあと思った。そんなことを昼休み、ふだんズボンのポケットに突っ込んでいるメモパッドに英語でしたためる。この英語メモはあの思い出したくもないパンデミックの時期(軒並み英会話教室が「自粛」の憂き目を見た時期)にそれでも英語をやっておきたくてはじめたことだが、性に合っているということだろうかいまでも続けられている。もうだいぶ、「英語脳」で考えることにも慣れてきたようにも思う。

それなりのハードワークのあと、グループホームの自室に戻ってきてそして夕食を摂る。昨日の疲れからか横になったらうとうとしてしまった。起きて、そして何致和『地下鉄駅』を読み終える。「駅員が自殺志願者の数をどう減らすか現場で汗をかいて考える」という難物なテーマに真正面から挑んだ心意気を大いに買いたいと思いつつ、主人公(45歳・男)のロマンスやその他の細部に無理があるようにも思い素直に乗れず、中盤から精彩を欠いた印象がある。ゆえに、「志の高い失敗作」とぼくは自分の中で位置づけたく思った。

ただ、それでも「彼ら(自殺志願者)と我々を隔てるものはなにか」「その隔たりを超える言葉はあるのか」といった問題に思索を誘うところは無視できないとも思う。いま、ぼくは生きている。いまのところ死に誘われたりすることもない。それはなぜだろうか……とあれこれ考えてしまった。