午前中は時間あり、グループホームの本家にお邪魔する。そこで、かねてより懸案事項の1つだったすっかり頓挫してしまっていたぼくの小説『ビジターズ』の続きを書こうとぼくなりに気張った。なさけないことに、ここさいきんめまいで病院に行ったり部屋でぐったりしたりしてそれなりに忙しかったこととあとは根っからの怠惰な性分が加わり、まったくもってサボっていたのである。だが、こんな時代にこんなことを書いてはもちろんきな臭いが、それでもこのままサボるのは「男がすたる」。なのでぼくなりに頑張ったのだけど、しかし現実はてごわい。まったくもって手がかりを得られず、書くに書けずだった。たしかに、前に書き始めていた時期はストーリーが魅力的に映りキャラクターが始終ぼくの頭の中でささやき続けていたのだけど……でも、いまとなってはサボったのが原因なのかなんだか死んだようになにもかもが押し黙り、なんだか墓場の中をさまよい歩いているような気分になってあきらめてしまった。なんてこった。
午後になり、とりあえず落とすかもしれないことは編集長にはお伝えしたがこのまま屈服するとほんとに「男がすたる」ので(時間があったこともあって)、まず図書館に行って気分を変える。せめてムダな抵抗をあきらめたくないという思いから小説の参考になればと思って村上春樹『アフターダーク』を借りる。その後、アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』の英語の原書のペーパーバックがあったのでそれも借りた。後者をすこしだけ読んでみたが、実はこのヘミングウェイの傑作はいまだ読んだことがなかったので英語で腕試しにかじってみたいと思う。さてどうなるか。その後はイオンに行った。でも、続きを書かんと血管が切れるほど気張ったものの苦しくなってプレッシャーで息が詰まる思いさえして、ついにさじを投げた。ただ、やはりこのまま「男がすたる」のもつらいなと思って、勢いあまってブックカフェに行ってしまった。オーナーの「先生」にいまの内面の悩みを打ち明けたい、と思ったのだった。この「ライターズ・ブロック(書き手がぶつかる壁)」を打破できないだろうか、と……かんぜんな「アポ無し」の訪問だったのだが、オーナーは迎え入れてくださり話を注意深く聞いてくださった。
ぼくがいま書いている作品についても興味を示してくださり、そしていきなり細部から書くのではなくまずは箇条書きかなにかでアイデアを出し、そこからプロットをおおまかに(あくまで「大雑把に」)作って青写真を描いてみたらどうですか、と薦めてくださった。なるほど、と思う。そして、ぼくのような試みは貴重だとも話してくださった。ぼくがやらなければ、当たり前のこととしてぼくの作品を代わりに生み出し・具現化する人なんていないわけだ。そこから必然的に「作品を生み出せるか否か」「作品を生み出す使命に応えられるかどうか」が決まる。「できますよ。やるっきゃない! 頑張ってください」という話になった(ありがとうございます)。その後はその場を離れてグループホームに戻ってコーンポタージュ鍋をいただき、あれこれリストを書く。もうこうなったらやぶれかぶれというか信じるしかない。信じて、人事を尽くして天命を待つ。その後は村上春樹『アフターダーク』を読み進めて過ごした。
