だが、察しの良い読者の方ならおわかりのとおりまったくもって現実的な案ではないことがわかってしまう(そんなこともわかってないのがぼくのスットコドッコイな所以である)。面談の内容にはどうしたって社外秘・企業秘密が入ってくるだろうし、そうでなくとも面談があるとするならたぶん来週頭くらいだろうと読んだぼくは、いまとなってからジョブコーチを面談の予定に間に合うようにブッキングというか、アポイントメントというか予約というかともかく間に合わせるのはぼくの事務管理能力を鑑みて、「ぜったいに」できるわけがない(ぼくの経験上から面談の予定はその日のできごと次第でいくらでも急変することくらいは読めていた。またそうでなくてもいまからというのは準備が足りなさすぎるし、そんな予定に振り回してしまうジョブコーチにも失礼な話になる)。なので以前にお世話になった前ジョブコーチにLINEをお送りし、そしてこのことについてお力をお借りできないだろうかとお願いした。どんなことをどう話したらいいか、などなどを事前に相談できたらと……いや、いまのその方の立場(とりわけ健康上のことなど)がわかっていなかったし、正式にオファーするとなるとまさか無報酬でというわけにもいかないだろうからジョブコーチとしての力添えをお願いすることになるんだかどうなのかもわかっていなかった。それに加えて一般論としてどの家庭も年始はまだまだバタバタ気忙しいのは目に見えている。だがしかし、その前ジョブコーチの方は快くLINEを返して下さった。どんなことをやり取りさせてもらったかまでは秘匿させてもらうが、実にありがたいことと目頭が熱くなったことは記しておきたい。
昼休みになり、上に書いたことをあれこれ振り返る。さっきも書いたようにおしりが発熱していたこともあって、自然と「契約面談でボスとどんなことを話し合えばいいのかなあ」「いまのジョブコーチや前ジョブコーチともこの面談のことを話すつもりだけど(さすがにマル秘事項までは話さないけれど)、どんなふうに話せばいいのかなあ(イレギュラーなワークスケジュールで困っていること、両親の健康状態、などなど)」といったことに思念が及ぶ。そうこう考えているとふと、ぼくがいまこんな感じでなにはともあれアンポンタンではあるにせよ前向きでクリエイティブな力を持ち得ていることにあらためて感嘆してしまった。そういう気持ちが(頭ではなく、おそらく酒を断ったことで快復してきた「肝(キモ)」にだろうか)充分備わっているからこそ次になにをしたらいいか、バカなりに足りない頭を使いつつあれこれ思考・思案して策を練られるんだろうと思う。昔は過去に生きたり、「空から美少女が降ってこないか」的な非現実的な妄想に生きたりしていたが(いや、大真面目に書いている。そういう時代があった)、いまはぼくはなにはともあれ未来を見ようとしているのかなと思う。また始まるという英会話教室、木曜のミーティング、その他英語を使える機会などが今年も待ち受けているのだろう、などなど……。
だがしかし……なんたるか! 昼食を済ませ休憩を終えて、帰ってくるとボスから開口一番「4時から面談します」と言われてしまった。あわてふためきつつ、結局日々考えていることを書類に書き込み心の準備を整える。4時に予定されていた面談が行われ、ボスにあれこれ話す。過去の屈辱的なできごと、いまの困りごと、プライベートなこと、などなど。うまく伝わったかどうか心もとないけれど、でも「終わりよければ全てよし」というかやぶれかぶれで話したことはなんとかなったようで、このことはなんにせよさっそく時間を見繕って元ジョブコーチ・現ジョブコーチに話すことにした。その後仕事が終わり、Discordで控えていた新年会に出る予定だったのだがいざ夕食のピラフを食べてしまうと精神的に負荷がかかっていたからかいつしかウトウトしてしまい、参加できなかった。なんだか早くも2025年の前途を物語るような、後藤明生の小説ばりのツイストの効いた1日になってしまったと思った。そんなこともある。