今日は休みだった。朝、図書館に行き森田伸子『子どもと哲学を』を借りる。少し読み、実に深い本だと思った。私たちがこの世界に「ある(在る)」ということがどれほど深遠なことかを説明している。私がこの世界に存在するということ……私は過去に「もしも私が生まれてこなかったら」と思って生きていた。発達障害のせいもあってあまりにも嫌われたり笑われたりすることが多かったので、必然的にそんなことを考えさせられたのだろう。もしかしたらみんな幸せに生きられたのかもしれないな……と、そんなことを子ども心に考えて生きていたことを思い出す。この本と出会えてよかったと思った。
今日は断酒会の昼例会があった。私も参加する。1人、参加されたばかりの方がおられた。その方の話を聞きながら、私も過去に参加したばかりのことを思い出した。その頃は不安がつのるばかりだったっけ。今まで酒が「護符」「お守り」だったけれど、その酒をまったく呑まない人生を生きなければならないのだから不安も並大抵のものではなかっただろう。結局断酒会での人間関係のつながりや自分自身が本当に好きだった事柄(読書や音楽、映画など)をエンジョイすることに努めて回復していったのだった。楽しい会話が花咲いたひと時だったと思う。
『子どもと哲学を』を少しずつ読み進める。この本で綴られている、「大人になる」ということが怖かった時期なら自分にもあったことを思い出した。別人になるということだろうか、こんな私のまま大人になってはいけないのだろうか……今なら「杞憂」「思い過ごし」だったなと思えるのだけれど、当時は真剣な問題だった。そして、そんな幼い問題意識を抱えていた私と後に話題となったオウム真理教やその他の組織との距離は近かったとも思う。もしかしたら私も入信していたかもしれない、と思う。紙一重のところで私はシャバに留まることができた。人生とは何なんだろうと思ってしまう。まったくもって謎だ……。
夜、断酒会の例会に参加する。そこで昼に来られていた方とも再びお会いできた。私も体験談を話す。今はまだその方には断酒会のことが見えないかもしれない。私も先輩に導かれて、まったく先の見えない断酒生活をさまようことになったのを思い出す。あとになってその方が今日のこと、断酒を決意した日のことを「よかった」と思われるとしたらこんなにうれしいことはない。私も参加者の中でろれつが回らない中一生懸命断酒を語っておられた方の話を聞かせてもらった、あの日のことを思い出せる。今日がその方にとって有意義な1日だったと思える日が来ますように。