跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/09/29

今日は丸一日副作用との戦いだった。朝から寒気に苦しむ。いや、すでに秋に入って大分経つのでそのせいもあってかもしれない。昨日ワクチンを打った左腕が痛む。それでグループホームで一日中臥せって過ごした。自分でも呆れるくらいよく眠れた。朝10時、あまりに具合が悪いので朝活としてイオンに行くのも諦めて横になり過ごして眠る。昼食を摂り、そして眠る。グーグー眠る。そして夜に夕食を摂り、眠る。そんな有様だったので生産的なことも特にできずに終わってしまった。まあいい。人生は長いのでこういう日だってありうる。

LINEで友だちが自分の健康について話していた。私のことを振り返る。私も酒に溺れてずいぶん不健康な日々を過ごしたものだ。今は兎にも角にも「健康である」ことが一番だと思う。「健康である」ことがいい仕事を生む、と。これは村上春樹へのインタビューを読んでいても思うことだ。彼もまたストイックに己を律し、マラソントライアスロンに参加して自分の身体を鍛え抜いているのだった。「身体性」を抜きにして物事を考えることは現実的ではない、ということを彼からは学んだのかもしれない。「健全な精神は健全な肉体に宿る」……というのはもちろん極論だが。

私自身、断酒を何とか果たすことができているのを奇蹟的なことのように感じる。かつて、呑兵衛であることが一人前の大人の証だと思って無茶な呑み方をしたものだ。結局は普通というか、平凡な生き方の中にこそ奥義があるように思う。平凡な生き方を貫くことこそ非凡である……先にも述べた村上春樹のインタビューの言葉を読んでいてもそう思う。私自身の生活を振り返ってみても、日々一日断酒に務めて健康的な食事を自分なりに保ち、規則正しい生活をする。そんな保守的な生活をこなすことがいつの間にか自分の性分になってしまった。

夜、村上春樹の初期の短編を読み返す。『カンガルー日和』に収められたものだ。ナンセンスを弄ぶ着想の鋭さと面白さに舌を巻く。こうして読み返すと、村上春樹はいつも一貫した書き方を保っているようで実際のところは常に変化を目指している作家だなと思う。だから彼は『ノルウェイの森パート2』みたいな作品を書かない。『海辺のカフカ』は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の続編的な性格が濃いというが、読んでみるとぜんぜん違う方向性を目指した作品であることがわかる。それにしても、批評家になりたいわけでもないのにこんなに村上春樹を読んでどうしようというのだ、私は……。