跳舞猫日録

Life goes on brah!

2022/01/05

BGM: サディスティック・ミカ・バンド「タイムマシンにおねがい」

今日は通院日だった。と言っても薬をもらうだけだったのだけど、支払いの際に自立支援医療の受給者証を失くしていたことが判明する。市役所に行き再発行の申請をする(めんどくさかったけれど、今年はこういうことは先延ばしにしたくなかった)。新年早々発達障害特有の管理の悪さが判明し、我ながら恥ずかしくなる。その後図書館に行き古井由吉の『魂の日』や小林信彦『決定版 日本の喜劇人』などを借りる。だが、今は私の頭は映画モードに入っているのでなかなか本を読めず苦労する。読めないなら無理に読まなくても困らないのだけれど……そんな感じで肝腎のオフは潰れてしまった。

ジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ』を観る。コーヒーとタバコをめぐる11の短編が収められている。どの短編も独自の会話のひねりの効き具合がたまらない。脚本に書かれていることを俳優陣が独自の解釈で演じた、その演じ方から来る独自の間合いや表情からこの魅力は来るのだろう。私はタバコは吸ったことがないしこれからも吸うつもりはないのだが、タバコを吹かす人々の姿にある種のカッコよさを感じたことも確か。トム・ウェイツイギー・ポップが登場する話が一番カッコよいと思った。ふたりともまだまだエネルギッシュで、独自の色気がある。

夜、断酒会に行く。そこで新年にまつわる体験談を話す。かつて呑んだくれていた頃、大晦日にせっかく作ってもらった年越しそばを食べず酒ばかり呑んでいた……断酒会を知って、酒を断つ決意をしてもう5年になるのだな、と思わされた。断酒会と会えてよかったことのひとつは孤独と付き合う術を得たことだろう。孤独と向き合い、自分を知る。そこで考えたことを体験談として話す。そういう作業をずっと繰り返していたせいで、孤独から酒に逃げたくなることもなくなった。今年は一体どんな体験談を話す年になるのだろうか。

その後ジム・ジャームッシュゴースト・ドッグ』を観る。本来なら古井由吉の本を読むはずが、どうしてもこの映画を観たくなったので観てしまった。『葉隠』を読む凄腕のギャングというユニークな、ジャームッシュらしいインテリジェンスを感じさせる人物造形。洗練されたヒップホップに支えられて語られるストーリーはなかなかの味があった。ジャームッシュの映画は未見のものがあるので今後もどんどん観ていきたい。映画を観ると自分の中の未知の扉が開く思いがする。こんなことを考えられるのか、と思ってしまうのだ。映画は私にとって広大な世界とつながる手段のひとつだな、と思ってしまった。