BGM: Teenage Fanclub "Hang On"
今日も小説を書くことができた。これ以上書けないかな、と思っていたのだけれどいざ書き始めると思いも寄らなかったアイデアが出てきて、なんとか書けた。小説のためのノートもつけ始めたのだけれど、いつも不思議に思うのだけれど頭でどうこう考えていても大したアイデアは湧いてこないのに、ペンを手にするとアイデアが湧くのだ。ウィトゲンシュタインも断片の中で「自分はペンで考える」というようなことを言っていると聞く。「案ずるより産むが易し」というが、またひとつ神秘に触れた思いでいる。今日もなんとか書けた。
思っていることをメモパッドに書き記す。そうすると、思いは尽きる。書くべきことがなくなる。仕事前にそうした作業をすると、自分自身を使い切ってしまったような気持ちになる。もう、なにも出ない。なにもできない……でも、仕事を始めるとまた新しいエネルギーが出てきて、それが仕事をさせる。サミュエル・ベケットのアフォリズムを思い出す。"I Can't Go On, I'll Go On"。「これ以上できないけど、これ以上やる」。そういえばベケットをきちんと読んだことはなかった。図書館にないだろうか。「ゴドーを待ちながら」を観るのも悪くない。YouTubeを探してみよう。
ささやかではあるが、ボーナスをもらうことができた。このボーナスでなにを買おうか、と考える。ダニエル・デネット『自由の条件』を買おうか……最近は読書欲もそんなに湧かなくなってきた。今まで買い込んできた本を虚心に読めばいいかな、と思う。ティム・インゴルド『生きていること』だってまだ読めていない。とりあえず2022年のシステム手帳のリフィルを買ったのだけれど、2022年はどんな年になるのだろう。相変わらず本を読み、映画を観て、音楽を聴いて……それで2022年も安泰に過ごすことになるのかもしれない。
森富子『森敦との時間』を読んだ。伝説的な作家・森敦との日々を書いた本だ。天才ではあっただろうが、同時にどうしようもなく頼りない森敦の傍に居て生活を支えた著者のおおらかさが微笑ましい。こんな人生もありうるのだ……私の人生についても思いを馳せる。どんな風にこれからの人生は開けていくのだろう。もっと高みに登れるのだろうか。これからも色々辛いことや悲しいことなどあるのだろうけれど、小説や日記としてアウトプットできればと思う。さながら、葉をもりもり食べて美しい糸を生み出す蚕のように。