今日は月に一度行われる発達障害関係のミーティングの日だった。10時から始まるというので、それまでに昼に食べるサンドイッチを買いにイオンに行く。その道すがら、ふと気がつくとブランキー・ジェット・シティという日本のロックバンドの曲を口ずさむ自分が居た。別にブランキーのことを考えるきっかけがあったわけではないのに……こうしてふと自分の中から思いも寄らないものが湧いてくる。それだけで既に自分にとって自分は謎だ。サンドイッチを買ったあと、図書館で渡辺正峰『脳の意識 機械の意識』という本を借りた。
10時からミーティングが始まる。いつもこのミーティングでは元気をもらっているが、今日はコロナ禍が収まった様子なので一年ぶりに(もちろんコロナ対策の換気や消毒を万全に行った上で)リアルでミーティングを行った。私は以前ポッキーの日に行った発達障害をめぐる発表を紹介した。厳しい意見もあったものの、それもまた面白い。他の参加者の方からも、掃除や洗濯をどう指導すればいいのか(あるいは本人に任せるべきなのか)といった意見が出てきて、有意義な時間になったと思う。どの人も真剣に発達障害を考えている、ということがわかった。
その後グループホームに帰り、ゲオルク・ノルトフという人の『脳はいかに意識をつくるのか』という本を読み始めた。この本では人間の心(こうやって物事を考えている場所)はどこなのかという問題について平たく整理がなされている。どうやら人間の心は脳の中だけではなく、身体や外部に存在する世界と密接に繋がっているらしい。だから世界と自分との調和が崩れると統合失調症に陥ってしまう。あるいは精神状態が悪くなると身体にも影響が出る謎がこれで解ける。なかなかいい本を読ませてもらった、と思った。
その後、LINEのオープンチャットで心脳問題について(つまり心はどこにあるか、という問題について)教えてもらう。ただ、メカニズムがわかればわかるほど、それでもなお「なぜ自分は自分であり他人ではないのか」という謎は浮き彫りにされてしまう。今朝、なぜ私はブランキー・ジェット・シティの曲を口ずさんだのか。自分なんて単なる幻想でしかないかもしれないのに……やれやれ、十代の頃から考えているこの自分の謎、自分というブラックボックスの存在の神秘を解き明かすのは今になってもなお不可能なようだ。だからこそ考える価値があるのかもしれないけれど……。