跳舞猫日録

Life goes on brah!

2021/10/08

今日は遅番だった。なので昼は時間があった。片岡義男日本語の外へ』を読み進める。アメリカとはどういう国なのかについて念入りに考察が施される。前にも書いたのだけど、湾岸戦争は私が世界政治について、あるいは愛と平和について考えるためのよいきっかけだった。日本は憲法で軍隊を持たない(正確には「自衛のための軍隊」以外を持たない)国と規定されていたと記憶しているけれど、そんな国が海外に「派兵」することは矛盾なのか、それとも国際貢献なのかということを幼いながら考えたのだった。そんなことを思い出す。

日本語の外へ』を読むのはこれで2度目なのだけれど、やはり示唆に富むいい本だと思う。日本語とはなにか、あるいは日本とはどういう国なのか。それをアメリカとの対比で教えてくれる本だ。片岡義男という成熟した知性が語る日本とアメリカの姿は、単にアメリカを崇め奉る単純な姿勢から描写されるものではない。また、日本スゴイ論にも堕ちることはない。アメリカと日本のいいところと悪いところを見据えた上で、両者が幸福に交流できる糸口を探しているようなそんな印象を受けた。故に「十年に一度」の本だと思う。

前にホン・サンス『それから』という映画を観たせいで、夏目漱石の小説を読みたくなって図書館で借りている。夏目漱石は、実は全作品を読破したわけではない。読めてない作品は沢山ある。怠慢を嗤われても仕方がないとは思うのだけれど、古典の世界は古典の空気や気韻を掴まないと入れないと思う。小津安二郎なら小津安二郎の生きた時代の文物に慣れ親しみ、その時代の空気をイメージしてみること。そこまでしないと私は古典の世界に入れない。ともあれ『明暗』に至るまで漱石をきちんと読んで楽しみたい。

インドネシアのジュディスさんという友だちとのコラボの件なのだけれど、彼女が私の似顔絵を描いて下さった。有難くいただく。clubhouseで知り合った方なのだけれど、彼女の「cheerful」というか元気いっぱいの笑い声からはいつも励ましをもらっている。私の周りにはそういう人が多い。この世は生きづらい時代ではある。だけれども、そんな閉塞感を吹き飛ばすようなポジティブさと行動力で人生を切り開いている人も確かに居る。私もそのタフネスを見習いたく、今日も本を読み色々なことを考えてしまった。