跳舞猫日録

Life goes on brah!

2021/10/02

昼休み、食事を採った後ぼんやり考えた。私は結局ビッグになりたかったけれど、なれなかった。それはそれで仕方がない。ただ、確かな力を手に入れたとは思った。仕事をする上でも私生活でも役に立っている、「真実を見抜く」という力だ。おかしいことをおかしいままに留めておくのではなく、物事のあるべき姿を見極めてそう保つこと。この力は発達障害者として生まれたから先天的に備わっていたのか、それとも映画や本に触れる過程で身についたものかはわからない。ともあれ、その力を手に入れられた。それだけでも幸せなことのように思う。

母とLINEをしていて、思わず「丈夫に産んでくれたこと、有難いと思ってる」と書いてしまった。今まで自殺未遂をした以外では大病を患ったわけでもなく、アルコールに溺れたのだけれど今ではシラフで仕事を全うできていて、身体が動く。その幸せを噛み締めた。今日は天気のいい日なので陽光の温もりを身体に感じ取れる。日向ぼっこしていたらそれだけで幸せ……吉田健一がそんなことを言っていなかっただろうか。今日は片岡義男の本も手に入れられたし、いい一日だった。明日は休みなのでのんびりと休みたい。

仕事をして、休んで、考えて、寝て、食べて、読んで……これらが集まって自分の生活のサイクルを成している。どの行動にも意味があり、単独で完結していないかもしれないと思った。食べると眠くなる、仕事をすると疲れる、休むと仕事をしたくなる……と言ったように、全ては繋がっている。例えば身体におけるバイオリズムのように、調子のいい時や悪い時、幸せな時や不幸せな時といったサイクルが回ることで自分が成り立っている。それを掴めば自分はもっと楽になれるかもしれない、と思った。悪い時もある。でも、きっといい時も巡ってくる。

夜、ミロス・フォアマンマン・オン・ザ・ムーン』を観る。ジム・キャリーの熱演に痺れる。彼の映画は好んで観てきたわけではないが、細かい表情の変化でさえこちらを確かに笑わせる。テレビの世界の厳しさについて考える。この映画を観ているとコメディ番組は芸術品のようなもので、数多くのブレーンやコメディアンたちの知恵の結晶であるということに気付かされた。私も『全員集合』で育った人間なのでテレビの世界の楽しさは覚えている。今のような時代でもこうした志を持ったタレントや作家たちは居るだろうか。きっと居るだろう。