朝、いつものように『THIS IS US 36歳、これから』第10話を観る。今回はクリスマスの話。いい話というか、渋く作られた話であり良作だという印象はこのドラマを観始めてから今に至るまで、変わっていない。それを踏まえた上で書くのだが、このドラマに通底しているある種の行儀の良さが気になる。黒人問題や死生観を盛り込みドラマに独自の深みを与えようとしている姿勢は評価できるが、登場人物が羽目を外さないので私のような濁った心の持ち主は彼らの澄んだ心にやや違和感を覚えるのだ。いや、だったらどうなってほしいんだと言われても困るのだけど……。
昼、友だちとLINEをする。私は何気なくウォン・カーウァイの話をしたくてLINEしたのだが、彼女がトラブルに陥っていたことを知り申し訳なく思う。知らなかったとはいえ恥ずかしい。私のことでいつも落ち着いているように見えると言われたので、そんなことはなく昔20代だった頃は職場で叫んだり暴れたりしたこともあることを打ち明けた。ただ、私は怒るのがド下手なのでキレても人を威圧するだけで説得したり状況を改善したりできないのがわかっているから、だからキレないことにしているのだった。知らず識らず身についたアンガーマネジメント、というのだろうか?
昼下がり、前に書いていた精華園の方とお話する。職場で起こっているトラブルや悩みごとについて話をした。私としては失敗として隠しておきたかったこと、みっともないと思っていたことがずらずらと俎上に乗せられて、建設的な話になるので驚いた。こうして「振り返り」の機会を持つことが勉強の機会になることを再確認する。今の会社に就業支援員の方が入るにはどうしたらいいかを話したのだけれど、希望が見える話になったのではないかと思う。ただ、それが嵩じて会社に居づらくなったらそれはそれで困るので慎重に行きたい。
夜、『アナと雪の女王2』を観る。魔法を使えるが故に「選ばれた」女王エルサと魔法を使えないが故に「平凡」なアナの好対照がよく描かれていると思った。そして今回の映画ではそんな「平凡」なアナが自力で運命を切り開く奮闘が卒なく描かれており、『1』ほど優れた出来とは思わなかったが心に響くものがあった。ああ、昔はこうした映画を観ても心に響かず、ずっとなにか「いいこと」が起こるのを待ち焦がれていたように思う……今、自分の直感を信じて行動できるようになったからこそ、エルサやアナの奮闘を自分のものとして感じられるようになったのだろう。